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Biography

工学部出身のシステムエンジニア。この経歴を聞いて、私の作品を想像できる人は少ないでしょう。しかし、私の人生の旅は、まさに現在の作品そのものです。

幼い頃から今に至るまで、海から得られる安らぎによって、心が回復するような感覚がありました。憔悴した心、日々の喧騒で疲弊した心に息吹が吹き込まれるような魅力が海にはあったのです。同時に、嵐で打ち上げられた流木や、風雨に晒され朽ちた倒木にも特別な魅力を感じていました。それらは一度、生命を終えた存在です。それでもなお、木に宿る力強さと美しさもまた、私自身の魂の奥底に深く響きました。

無機質な文字列を扱うシステムエンジニアの世界に身を置く中で、いつしか海の魅力すら感じる時間もないほど心が疲弊していきました。そんな中で私は再び海に赴きながら「心の癒しとは何か」という問いと向き合うことになりました。それは、まるで朽ちた木材のようになってしまった私自身の魂を再構築する期間でした。

現在、私は木材が持つ温もりと、レジンで表現される海の息吹を融合させることで、この問いに答えようとしています。私の作品は、一度は失われたものが、再び美しく蘇るという希望の象徴です。朽ちてもなお存在する木材の温もりと、海の安らぎから生まれる、新たな癒しによる再生。私自身が再構築されたように、作品を見る人の心に静かな波紋と、揺るぎない癒しをもたらすことができれば、これ以上の喜びはありません。

Statement

私の作品は、生命を終えた木材と、絶えず変化する海の息吹を映すレジンを組み合わせることで、「癒しによる再生」というテーマを探求するものです。

木材は時の流れと生命の記憶を刻み込んだ存在です。私は建築材としては見過ごされがちな歪な形や、一度は生命を終えた木々にこそ、その個性が最も美しく表れていると考え、深い敬意を持って作品へと昇華させています。

一方、レジンは、揺るぎない海の息吹と、生命を再生させる光を象徴するメディアです。このレジンを木材と組み合わせることで、朽ちたものに再び命を吹き込み、新たな価値を与えます。このプロセスは、私自身の魂の再構築と深く結びついています。

私の作品が鑑賞者にとって新たな癒しとなり、失われたものが再び美しく蘇る希望の光となることを願っています。 

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